個人事業主・家族経営店舗の会計書類保存と帳簿訂正の新ルール【財務省通達152号対応】
カテゴリ:ベトナム税務・会計 / 施行日:2026年1月1日 / 根拠:財務省通達152/2025/TT-BTC
2026年より、財務省通達152/2025/TT-BTCの施行により、個人事業主・家族経営店舗(ホーキンドアン)の会計ルールが大きく変わります。なかでも注目されているのが「領収書・証憑・帳簿の保存形式は紙でよいのか」という点。本記事では、最新規定に基づく書類保存の方法と、帳簿に誤りが生じた場合の訂正手順をわかりやすく解説します。
【目次】
- 領収書・証憑を紙で保存してもよいか(2026年)
- 会計書類の保存期間
- 帳簿に関する規定
- 帳簿に誤りが見つかった場合の訂正方法3つ
1. 領収書・証憑を紙で保存してもよいか(2026年)
根拠法令:財務省通達152/2025/TT-BTC 第3条(2026年1月1日施行)
新通達では、個人事業主・家族経営店舗は会計書類の保存形式を自由に選択できると明記されています。
- 電子媒体での保存(クラウド・PCなど)
- 紙(原本)での保存
保存対象となる会計書類は以下のとおりです。
- 領収書(インボイス)
- 会計証憑
- 会計帳簿
- その他関連書類
ポイント:2026年においても、領収書・会計証憑・帳簿を紙で保存することは適法です。電子化は義務ではなく、事業者が任意で選択できます。
2. 会計書類の保存期間
- 最低5年間の保存が必要
- 領収書(インボイス)については、税法の定める期間に従う
注意:保存書類は、税務署の調査時にすぐに提出・閲覧できる状態で整理・管理しておく必要があります。書類の欠損や不備は調査時のリスクになります。
3. 帳簿に関する規定
通達152号の様式に定められた帳簿以外にも、必要に応じて独自の帳簿を追加したり、様式を業務実態に合わせて調整することが認められています。
ただし、帳簿には必ず以下の記載が必要です。
- 帳簿の名称
- 作成年月日
- 経営者(代表者)の氏名と署名
- 印鑑(所持している場合)
電子インボイスを使用している場合:税務署が納税額の算定を支援するケースでは、帳簿は税務署の通知内容との照合・確認に使用されます。帳簿の正確な管理が特に重要になります。
4. 帳簿に誤りが見つかった場合の訂正方法
根拠法令:会計法2015年(Luat Ke toan 2015)
帳簿に誤りを発見した場合、消去・塗りつぶしは禁止です。元の情報の痕跡を残したまま、以下の3つのいずれかの方法で訂正します。
方法(1):訂正線による修正
- 誤記箇所に一本線を引く
- 正しい数字・文字を上部に記入
- 主任会計士または経理責任者が署名
方法(2):赤字(マイナス)による修正
- 誤った数値を赤インクまたは括弧()で記載
- 正しい数値を記入
- 主任会計士または経理責任者が署名
方法(3):調整仕訳による修正
- 調整用の証憑を作成
- 差額分を追記して数値を正す
注意:電子帳簿の場合は、方法(3)のみ使用できます。
訂正のタイミングによる対応の違い
- 財務報告書の提出前に発見した場合 — 該当年度の帳簿上で修正
- 財務報告書の提出後に発見した場合 — 発見した年度の帳簿で修正し、調整内容を注記に明記
まとめ
- 2026年以降も、会計書類の紙保存は適法(電子化は任意)
- 保存期間は最低5年(領収書は税法規定に準拠)
- 帳簿様式は調整可能だが、必須記載事項を満たすこと
- 帳簿の誤りは消去禁止。3つの訂正方法のいずれかで対応
- 電子帳簿の訂正は方法(3)調整仕訳のみ使用可
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